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2017/08/01

光合成と人工光合成の化学

-エネルギー・環境問題の根本的解決を目指して-

教授:中西周次、助教:神谷和秀

光合成では、太陽光をエネルギー源として、二酸化炭素と水から有機物が合成されます。この光合成の機能を人工的に再現できれば(すなわち人工光合成が実現できれば)素晴らしいことは言うまでもありません。光合成のどの側面に着目するかによって「人工光合成」の定義も変わりますが、私たちの研究室では、特に、電子移動反応と共役した光合成における光―エネルギー変換に着目し、(1)光合成における巧みな電子移動反応の理解を目指す研究と、(2)光合成の本質的性質を人工材料で再現する研究を並行して進めています。

 

(1) 人工光合成材料の創成を目指した研究

人工光合成では、光吸収材料で生成した電子や正孔を、人類にとって有益な化学反応に利用する必要があります。この電子移動反応をスムーズに進める触媒、および触媒と光吸収材料との間の界面制御は、高効率な光-化学エネルギー変換系を構築する上で本質的に重要です。当研究室では、環境調和性を第一に考え、地球上に豊富に存在する元素から成り、その上で、有意な活性・選択性・安定性を示す人工光合成材料の開発に挑戦しています。

 

(2) 光合成における電子移動反応の理解を目指した研究

光合成における光-化学エネルギー変換では、光による電荷分離から始まる電子移動反応の連鎖により還元力と化学エネルギーが作り出されます。当研究室では、「生細胞の中の電子の流れ」を電気化学的に操作する方法を開発してきました。この方法をベースに、汚れてしまった環境を太陽光で浄化する方法の開発を目指して、光合成微生物細胞内および光合成生態系での電子の流れを理解する研究を進めています。


太陽エネルギー化学研究センター